音楽から感じた色。「読点を線でつないだら、君の笑顔が浮かんだよ。」
「桜前線異常ナシ」
風に揺られた松の木が、緑のとげとげを地面に落とし、
それを拾った小学生が、運動場を駆ける人にむけ、それを投げる。
風に乗った葉っぱが、人に届く頃、ピンぼけした背景では桜が舞った。
「交響曲第九」
黄金の糸が天と陸を結び、それに触れる狼が波紋を広げる。
森の木立が柵のように道を阻み、歩く道が誘導され、
メロディを刻む。
小鳥たちが、淡い波紋を転々と打ち、
音が飛び立つように広がった。
「独りんぼエンヴィー」
白いキーボードをカタカタと打ち、茶色い文字が削れていく。
ディスプレイに打ち出された文章は、読点ばかりで読みづらい。
読点を線でつないだら、君の笑顔が浮かんだよ。
「Sailin'」
空から落ちてきた、ビー玉が南極を穿つ。
逃げ惑うペンギンを、置いてきぼりにシロクマが、
北極の氷で作ったかき氷。
赤いシロップをかけて召し上がれ。
「在来ヒーローズ」
耳元でささやく声は、クリーム色の死神で、
彼の指さす先には、積み木の人間。
そっと押せば崩れそう。ちょっとした揺れで壊れそう。
「想像フォレスト」
さりげなく人を脅しつけ、窓を開けると雲の中。
雲に開いた窓から、逃げようと、する人間を、
追い越し飛び立つ、1羽のスズメ。
空に掛かる電線を、道路のように歩きつつ。
「君のいない世界」
二人でジュースを飲みながら、ストローの先を交わらせ。
鳴り響く氷の音で、愛を確かめ、
最後に氷は溶けて無くなった。
二人の愛は蒸気となる。
「折れないハート」
白く輝くダイヤモンド。
トンカチで叩くと簡単に割れた。
キロキラと光る微少な光は、広く世界に散らばって、
先ほどよりも輝かしい。
星座は一人じゃ作れない。